生産性向上
2024年11月21日
P・F・ドラッカーは、その著書の中で「企業の目的は、顧客の創造である」と述べて
いる。
そして、「顧客の創造という目的を達するには、富を生むべき資源を活用しなければならない。資源を生産的に使用する必要がある。これが企業の管理的な機能である。この機能の経済的な側面が生産性である」という。
ここ数年、「働き方改革」という活字がよく見受けられるようになったが、その目的は「働きやすい環境をつくり、生産性を向上させること」にある。その背景には、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」や「働く人々のニーズの多様化」などが挙げられている。
働き方改革は、次の「3本柱」をもとに、働く人にとって働きやすい社会づくりを目的にしているという。
①「労働時間の是正」
世界的に見ても日本は平均労働時間が長く、みなし残業やサービス残業、有給休暇取得率の低さなどの課題がある。
②「正規・非正規間の格差解消」
非正規雇用の従業員に対して公平な待遇が求められている。
③「多様で柔軟な働き方の実現」
状況に合わせた働き方ができるようにして、家庭と仕事の両立がしやすくなるようにする。
そして、「働き方改革」の目的である"生産性向上"に必要とされているものは、労働だけが唯一の生産要素であるとする生産性のコンセプトではない。成果に結びつくあらゆる活動を含む生産性のコンセプトである。
また、生産性に重大な影響を与える要因として次のようなものが挙げられる。
① 知識
② 時間
③ 製品の組み合わせ(プロダクト・ミックス)
④ プロセスの組み合わせ(プロセス・ミックス)
⑤ 自らの強み
⑥ 組織構造の適切さ、および活動間のバランス
これらはすべて、労働、資本、原材料など、会計学や経済学のいう生産性要因に追加すべき要因である。
"生産性向上"は経営にとって、これから益々重要な課題となるだろう。
"考える言葉"シリーズ(24‐41)