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考える言葉

王道

2025年03月18日

 「姑息な手段に振り回されず、"王道"を貫け!」

 かつて、バタバタしていて、つい目先の利益に目が眩み、不用意に心が動かされようとしたとき、誰彼となく口にした言葉である。
 書棚にあった、『企業発展の礎となる経営理念の研究』(佐々木直 著)を読み直していると、宮内義彦氏の言葉として、次のような内容のことを紹介してあった。
 「宝くじを当てるような気持ちで経営を行うのではなく、"王道"を歩んで、誰にも負けないサービス・商品を作りあげることです。そして、経営は自分の責任でやることです」と。
 ここにある"王道"という言葉に触れて、チャレンジ精神に溢れていた若き頃、よく口にした言葉だったな、と思い出した次第である。
 少し、気になり、ネットで調べてみた・・・。
「①儒教で理想とした、有徳の君主が仁義に基づいて国を治める正道。②royal roadの訳語。安易な道。近道」
つまり、"王道"には二つの意味があり、使う意味によって由来が異なるという。
1つは、政治的な意味で「王道」を用いる場合、由来は中国の儒教で、中国戦国時代の学者である孟子(もうし)が唱えた説です。王道とは力で統治する覇道と対照的な、仁愛によって統治する政道のことを表す。
もう一つは、「遠回りせずに済む最も適した方法」のことで、「近道」「安易」と似た意味である。エジプトの王が問いかけたことに対する数学者の答え、「There is no royal road to learning」(学問には王道はない)という言葉が由来である。そこから「royal road」が「近道」として使われるようになったという。
 小生は、どちらかというと、①の正道という意味で使ったようだ。しかし、「あーでもない、こうでもない」と悩むよりは、"王道"を選んだほうが結果、近道となるので一緒のことかなと、思う。
 宮内義彦氏が言うように、意識して「"王道"を歩むこと」、また「"王道"を貫く」という考えは、世の中が多様化している今日的な状況において、極めて大切なことのような気がする。
久し振りに、"王道"という言葉に触れ、気になったことがある。それは、悩む機会が
少なくなったのではないか・・・。言葉を換えていうと、新しいことにチャレンジする機会が少なくなった。
この世の真理は、何事においても進化向上していけるものだという。この真理を常
に忘れず、切磋琢磨し続けることこそが、"王道"への心得ではないだろうか。
                   "考える言葉"シリーズ(25-09

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