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考える言葉

恩田木工に学ぶ

1997年11月25日

 信州真田藩は、真田信之(弟は幸村)が藩祖である名門であったが、五代目藩主信安の代には、幕府の公事、大火、大水のため極度の財政難に陥っていた。
 年貢の増徴や半知借上げといった生活弱者の窮状を配慮しない財政再建策は、百姓一揆や足軽騒動を引き起こし、人心は乱れ、国はつぶれかねない状況にあった。
 藩主信安の急逝後、六代目藩主となった幸弘は若年ながら聡明で、人を見る目があった。
当時、末席家老にしかすぎなかった恩田木工の誠実で、私心のない人柄を見込んで家老職兼勝手掛に登用する。
 木工はその卓抜した識見と才で国の再建を成し遂げ、見事に期待にこたえるのである。
 何故、木工は成功したのだろうか?
 
 (1)"信頼の回復"を基本に置き、先ず自らの姿勢を正し、
                  相手への絶対的信頼を実直に語ったこと
 
 (2)個々の立場を超越し、全体の人々の生かし方、
              つまり、集団の未来のために何が最も大切かを見極めたこと
 
 (3)しかも、個々の人間の生かし方をうまく考慮したこと
 
 (4)具体的目標を明示し、将来のビジョンを語ったこと
 
 (5)私心なきことは勿論のこと、命を捨ててかかったこと
 
 「人というものは、よき人が使えばよくなるものでござりまする。
                  悪い人が使えば悪くなるものでござりまする」

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