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考える言葉

戦い

2013年04月08日

 もうずいぶん前になるが、確か『経営人間学講座』だったと思う。

 「経営とは、"戦い"なのです。そして、それは次の3つの"戦い"をしているのです。一つは組織との"戦い"であり、二つは環境との"戦い"であり、そして三つは変化との"戦い"をしているのです」という講話があった。

 

 その当時、「確かに、経営とは"戦い"そのものだ!」と腑に落ちると同時に、環境やその変化との"戦い"は、その通りだとも思うが、自らが率いる組織との"戦い"という意味が、今一つピンと来ていないところがあったような記憶がある。

 

 せんだって、大きな組織で一部署のリーダーをしていた人が、その組織全体のトップ・リーダーを任されることになった。途端に、あらゆる部署から意思決定された資料や情報が上がってくるようになったという。

 

 めくら判を押せば簡単なことだが、そうはいかない。ちゃんと内容を吟味し、部署間の利害調整をしたり、ときには批判的な目を向けたりしながら、自分で最終的な判断や決断をするという姿勢が必要となる。すべての責任がどっかりと双肩にのしかかってくるのだ。

 

 そのように考えると、彼ら経営者は組織のトップでありながら、自らが率いる組織と戦っているのである。現に、優れたトップ・リーダーとは、つねに自らの目で確かめることを怠らない人だ。だから、他人の意見を鵜呑みにすることや、安易な妥協は決してしないものだ。 

 

 まさに、将たる所以は、そこにある。

 

 じゃ、そのようなリーダーに求められる条件とは何だろうか・・・。

 1.洞察力(物事の本質を捉え、環境あるいはその変化を見通す力)

 2.説得力 (コミュニケーション力や説明責任)

 3.組織を動かす力 (様々な価値観の人をどう束ねるか)

 以上、3つは必要不可欠の条件だといえよう。

 

 これらの条件を身につけようとするならば、価値観の学習をやるしかない。目先のハウツーをいくら身につけても何ら役に立つことはない。経営人間学講座でいうところの統合の価値観(関係性思考、システム思考)をしっかりと学ばないことには難しいだろう・・・。

 

 真のリーダーは、しっかりとした価値基準を持っている。そして、不退転の目的とヴィジョンのもと、コミットメントした計画を持っている。

 

 まさに、組織との"戦い"とは、自分自身との"戦い"である。

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