リフレ
2013年04月22日
"リフレ"・・・、賛否両論あるようだが、最近よく耳にする経済用語。"リフレ"とは、インフレを意図的に起こす政策のことをいう。
その目的は何かというと、当然のことながら、景気回復にある。
"リフレ"が一躍有名になったのは、アベノミクスと呼ばれる三本の矢(1.金融緩和、2.財政政策、3.成長戦略)。そのうち、安部首相がもっとも優先している政策が、強力な金融緩和による、デフレ、円高の脱却による日本経済の活性化だ。
そして、インフレを起こす"リフレ"の具体的な政策として、次のようなことが言われている。
1.インフレターゲット(物価上昇2%の目標設定)
2.マネーの大量供給(貸付、国債など資産購入など)
そして、インフレ期待を煽って、購買意欲を促すことによってデフレを脱却させようという考え方だ。
さて、問題は、因果関係。景気が良くなると、需要が増えて、インフレになるということは循環論として分かる。これは、ある意味、経済の好ましい循環論として理解できる。しかし、インフレを起こすと景気は良くなるのか、景気を良くするためにインフレを起こすことができるのだろうか?という、疑問が生じる。
マネーの供給量を増やしても、不動産や株などの資産に反映されても、モノの値段の上昇につながるとはいえない。そうすると、一般の賃金や雇用の増加につながっていくとは思えない。
そもそも、モノの値段が上がるのは売る側が値上げをしたときだ。じゃ、どんなときに値上げをするのか・・・。一つは、原価の上昇したとき。もう一つは、値上げしても売上げが落ちないときだ。
モノが売れない時代(欲しいものがない)になったから、デフレなのだ。
ドラッカー曰く、「デフレは、企業の怠慢と考えるべきだ。目先の利潤追求に目を奪われ、顧客創造という企業の本来活動に必要なマーケティングとイノベーションを怠ってきた結果である」と・・・。蓋し、名言である。
"リフレ"には、賛否両論ある。政財界の大御所は、概ね、賛成の立場にあるようだ。
時代は大きく動いているのだ。過去の政策の失敗ばかりに目を奪われず、未来に軸足を置いて、成長戦略を描く必要がある。
これからの日本経済の成長を担う領域はどこなのか、デフレや円高の脱却は真の景気回復につながるのか、よく考えてみたい。