総力戦
2013年04月30日
やはり、岐路にあるのだろう・・・。最近、よく"総力戦"という言葉を耳にする。
以前にも、スポーツの監督が「天下分け目の大決戦・・・、"総力戦"で挑みます!」と口にすることがあったが、最近では、政財界のトップリーダーにも盛んに"総力戦"を意識した言葉が多い。
"総力戦"とは、読んで字のごとし、あらん限りの力すべてを出し切って戦うという意味だ。企業でいうなれば、その組織のあらゆる分野にわたる力を一つに集めて行う戦いのことだ。
つい最近だが、小さな大横綱・千代の富士の現役時代の相撲が放映されているのを観た。やはり、驚くほどの強さだ。なぜ、倍もあるような巨漢力士を投げ倒して勝てるのか・・・?立会いのスピードで機先を制し、相手を浮き足立たせる。つまり、相手に全力を出させる前に、自らの"総力戦"に持ち込んで、圧倒していたわけだ。改めて、その強さの秘訣を知った。
さて、企業は、当然のことであるが、組織としての戦いをしている。組織の本質は、協働行為の体系であり、その意味において、ビジネスは"総力戦"である。
だから、一糸乱れることがなく、一丸となって戦える組織は強いし、そうでない組織はいずれ淘汰される宿命にあるといっても過言ではない。
そして、組織が"総力戦"に持ち込むために必要な条件が3つある。
① 目的の共有
組織の構成メンバーは、組織において共有すべき目的を明確に理解し、共感しているだろうか。
② 貢献の意欲
そして、自分の一挙手一投足が組織全体の成果にどのような影響を及ぼすことになるのかを理解し、貢献意欲を持っているだろうか。
③ コミュニケーション
さらに、構成メンバー相互のコミュニケーションはつねに良好であるだろうか。
ドラッカーが、次のようなことをいっている。
「"真摯さ"を絶対視して、初めてまともな組織といえる。・・・(マネジャーが)いかに知識があり、聡明であって上手に仕事をこなしても、"真摯さ"に欠けていては組織を破壊する」
つまり、組織の本質は信頼関係にある。信頼できる組織風土をいかに醸成するか・・・。それが、企業における"総力戦"の課題であるといえよう。