考え抜く
2013年09月02日
今月も、二日間のIG会議を終えたばかりだ。この会議の目的の一つは、"考え抜く"ことができる人材の育成にある。
「2日間も会議に費やすなんて、勿体ない!」という声を耳にする。恐らく「2日もあれば、かなりの仕事がさばけるだろうに...」という思いであろう。
しかし、果たしてそうだろうか?私が見るかぎりにおいて、目先の効率ばかりを優先し、あたふたと余裕のない仕事をしている企業や人ほど生産性を上げることができずに苛立っているようにみえて、しょうがないのだが...。
ハウツー(他人の思考)ばかりを当てにして、効率よく仕事をさばいてばかりいると考える力が低下する。そうすると、問題はつねに先送りする体質ができて、ストレスが溜まり、働く意欲までもなくなり、いずれ虚脱感に陥る。
今回の考えるテーマは、「私たちの課題と責任とは何か?」...。
一人ひとりに、「①組織、②部門、そして③自分」という3つの視点から「課題と責任」について考えてもらい、面談をし、もう一度練り直してもらって、全体の場で発表をしてもらった。
「課題と責任」を"考え抜く"、そのベース・拠りどころとなるのは、もちろんIG理念である。共有すべきベースがあって、それぞれが考えたものはお互いの思考を刺激しあう材料となる。発表し、議論しあうプロセスは、まさに衆知を集める機会となる。
「あなたが掲げた課題と責任は、私のそれと本質のところでは一緒だと思う。どうだろう、協働でやろうよ!」
「残業の撲滅?それは分かるけど、そのための課題って何だろう?」
「目立たないけど良い芽があれば、それを伸ばし、大きくする。そういう課題もあっていいよね...」
「言っていることの重要性は分けるけど、それってあなた自身の問題意識なの?」
それぞれの考えを発表し、徹底して議論しあう環境をつくることは大切である。組織に対する関心を共有でき、ホンネで話せるようになる。それに、お互いの考えていることが分かり合えれば、お互いの役割を認め合うこともできるようになる。
IGグループの「IG」とは「衆知」という意味である。「衆知を集め、世のため人のためにいい仕事をしよう」という想いを込めている。
一人ひとりの"考え抜く"力が、衆知となる。そして、組織が一丸となって戦える、いわば総力戦の基盤ができるのである。
「課題と責任」というテーマは、"考え抜く"には良い材料である。