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考える言葉

残業禁止

2013年11月25日

 予定外であったが、NHK(総合)で放映されていた『ドキュメント"決断』という番組に見入ってしまった。

 NHKの新しい企画もので、時代を動かすリーダーの決断に迫る新たな経済ドキュメント番組らしい。今回が初物で、夜8時以降の残業を原則禁止した伊藤忠商事・岡藤正広社長の決断、その理由や経営哲学を引き出そうというもの...。

 実は、IGグループも原則"残業禁止"令(夜8時以降)を出している。しかし、伊藤忠には10万人を超える社員が働いているし、グローバルかつ多様なビジネスを展開しているモーレツな総合商社だ。ちょっと訳が違う...。本当に、やれるのか?業績への影響はどうなのだろう?...気になる話である。

 岡藤社長の決断の理由は次のとおり。至極ごもっともな話だ。

 「猛烈に時間をかけて働く時代じゃない、とにかく集中力が大事だ。それに、仕事は量より質の時代、発想力こそが問われるのだ」という。つまり、仕事の成果を決めるのは、集中と発想!

 さらに、フレックスタイム制の廃止と朝5時からの早朝勤務に対しては50%の割り増し手当を支払い、無料で一定の朝食まで準備しているという。これは、仕事のスタイルを夜型から朝型へ変えるという強烈なメッセージだ。夜の残業より朝の残業のほうが能率もよく、身体にもよいという考え方だろうが、これも小生の経験からも、よく分かる話だ。

 「費やした時間じゃない、集中力だよ!」「量ではなく、質の時代だ。発想の転換こそが大事だ!」「朝型のほうが、効率いいに、決まっている!」 昔からよくいわれていることで、当たり前といえば、当たり前なのだが...。

 しかし、大きな組織全体を変える、大胆な働き方改革の大号令だ。本当に、トップリーダーの鶴の一声で、どこまで変わるのだろうか?これで、業績もグッとあがれば、いうことなし。ぜひ、成功してもらいたいと願う。

 「残業をしない!」という話で、以前に聞いて感服したのは佐々木常夫氏(東レ経営研究所 社長)。最近、『部下を定時に帰す仕事術』という本が出ているそうだが、一読する価値がありそうだ。悲鳴をあげたくなりそうな家庭環境で、定時に仕事を片づけて、同僚のだれよりも早く出世してしまうから、凄い。

 岡藤社長は、「残業はしないが、いつも仕事のことは考えている」と話していた。「遅くまで職場にいても、心そこに在らず」では、意味がない。

 "残業禁止"、 日中に最高のパフォーマンスで仕事をしたいものだ!

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