このページの先頭

トップページ > 考える言葉 > バックナンバー > 検証

考える言葉

検証

2014年05月07日

 目標管理がうまく機能するかどうかは、偏(ひとえ)に「仮説~実践~検証」の良循環が確立しているかどうかにかかっていると断言できる。これは、25年間ずっと、やり続けた者の実感である。
 循環化されたシステムこそが目標管理の真髄であるから、その過程の一要素でも手抜きがあれば、成果に繋がらないことは至極当然といえよう。
 目標管理は、人間の主体性、つまり責任、貢献、成果を欲する存在であることを前提としている。提唱者のドラッカーは、「大胆な前提であるが、それを信じている」と・・・・・、「それは、原則とすべきで、経営の哲学たるべきものである」と述べている。
 このように考えると、大胆な前提を受け入れる覚悟ができているかどうか、主体性(責任、貢献、成果)が問題となってくる。
 目標管理システムを構成する「仮説~実践~"検証"」は、いずれも重要な要素であるが、循環の要は"検証"ではないかと考えている。目標管理をうまくできていない者を観ていると、"検証"を怠っている、曖昧にしていることが多いのに気づかされる。
 その理由は、"検証"の段階がもっとも主体性を問われるからだと考える。つまり、"検証"の段階では、何らかの結果が出ている、勝ち負けがはっきりとしているわけだから、責任を口にしなければならない。それが嫌なのか、できないのである。本人は気づいていないと思うが、"検証"の時間を蔑(ないがし)ろにするのである。
 さらに良く考えてみると、仮設の段階から"検証"ができないような抽象的な目標の表現が多く、定量化できていない。これも主体性の欠如で、知らず知らずのうちに自己防衛本能が作動しているのであろう。
 "検証"とは、何が勝利で、何が敗北なのかを明確にすることである。そして、敗北に対して決して言い訳をしないで、「二度と過ちを繰り返さない」と決意することが大切なのである。それがきちんとできて、次の循環へつながるのである。
 "検証"は、習慣化しなければならないと考える。そのためには、次の点を心がける必要がある。
 ① 成功と失敗の定義を明確にしておくこと。
 ② "検証"に至るまでの過程で、測定可能な達成基準を設けておくこと。
 ③ 短期目標(日ごと、週ごと)を掲げて、まめに"検証"すること。
 そして何よりも、"「検証"を自己成長にとって大切なことだ」と思えるかどうかである。
 人間は、目標設定によって成長の機会をつくり、"検証"によって成長を実感する。

このページの先頭へ戻る