勇気
2015年03月17日
小さい頃から"勇気"を試される場面に遭遇した経験は、多かれ少なかれ、誰にでもあることだと思う。そんなとき、どんな"勇気"を奮い立たせてきたのだろうか・・・。
恐怖心、不安、羞恥心、倦怠感、虚栄心、疑惑、執着心など・・・。何か、自らの意志を貫こうとするとき、これらネガティブな感情を克服し、一歩を踏み出すための"勇気"を奮い立たせる必要がある。
"勇気"を語るとき、昔からよく引き合いに出されるほど有名な言葉がウィンストン・チャーチルの次の名言であろう。
「金を失うのは小さく、名誉を失うのは大きい。しかし、"勇気"を失うことはすべてを失う」「"勇気"がなければ、他のすべての資質は意味をなさない」・・・。
"勇気"とは、自らの信ずるところを貫き通す覚悟の決め方である。
経営をしていると、いろいろな場面で試されるのが"勇気"であろう。誰もが一度や二度ならず自らの"勇気"を試される状況に立たされて、冷や汗や、武者震いを経験したに違いない。
① 革新をやり続ける勇気(変化への適応、イノベーションへの挑戦)
② 仕事を任せる勇気(手離れさせる不安)
③ 取引先を選択する勇気
④ 権限委譲の勇気(執着心)
⑤ 泣いて馬謖を斬る勇気(信賞必罰)
⑥ それまでの努力を捨てる勇気(撤退、見切り千両)
⑦ 出処進退の勇気(後継者の選定、M&Aなど)
他にも、いろいろな場面で"勇気"が試されるであろう。
経営者の大変さは、組織全体の課題を自分の課題として受け止め、整理整頓せざるを得ないという立場からくる。つねに、気力を充実させておく必要があるのだ。
ニーチェの言葉であるが、「自分をだめだと思ったり、人に対して憎しみを覚えたりしたときは、疲れている証拠だ。そういうときはさっさと自分を休ませなければならない」と。確かにそうだ。疲れている状態を引きずって、"勇気"が湧いてくるはずがない。
ある人はいう、「リーダーにとって大切なのは、胆識である」と。ここでいう、「胆識とは、見識に"勇気"が備わった状態」のことだそうだが、同感だ。信念が伴った知識が見識で、それを実行に移すのが勇気である。
トップリーダーの決断、"勇気"には、往々にして孤独が付きまとうことが多い。それは、大衆迎合しないという"勇気"であり、それがトップの仕事である。