フィードバック
2015年05月07日
生産的な人、即ち仕事のできる人は、"フィードバック"機能に優れているという。
"フィードバック"とは、結果に応じて原因を調整することをいう。つまり、仮説を立てて、実践し、その結果を検証した上で、当初の仮説を調整し、より良いものにつくり変えていくことをいう。
プロには、仮説の達人と呼ばれる人がいるが、実は"フィードバック"機能が人一倍優れているのである。というよりも、仕事における"フィードバック"の重要性を誰よりも認識しているのだ。
ドラッカーも"フィードバック"の重要性について、次のように述べている。
「意思決定の前提を検証するために必要な"フィードバック"の仕組みをつくらなければならない。決定後の状況が想定どおり進展することは少ない。最善の意思決定さえ思わぬ障害にぶつかり、あらゆる想定外の事態に遭遇する。しかも、最も優れた意思決定さえ、結局は陳腐化する。したがって、結果からの"フィードバック"がないかぎり、期待する結果を手に入れ続けることはできない。・・・・・」
経営とは、まさに意思決定の連続である。然も、トップの行う意思決定の多くは未知への挑戦である。リスクを恐れず、機会を優先する勇気を問われる・・・。優れたトップほど、たくさんの失敗談をもっているという。ある意味、優れたトップの宿命だといえよう・・・。では、なぜ彼らは失敗に潰される事なく、生き残ってこられたのか?それが、"フィードバック"の効用だと考える。
優れたトップは、失敗から学ぶ姿勢がいいのである。つまり、"フィードバック"を通じた学習力がずば抜けて凄いのだと思う。自らの失敗を認めて反省し、自分自身のあり方を改めていく姿勢、その"フィードバック"機能が素晴らしいのだと思う。
このように考えると、"フィードバック"の本質は"真摯さ"ではないだろうか。つまり、目的に対する一貫性・・・。目的に対する貢献と責任を自らのバックボーンとし、結果と真摯に向き合う。そして、自らの失敗を素直に認め、自己革新をやり続ける姿勢こそが要求される。
そして、"フィードバック"の効用として次の点を掲げることができよう。
① 仮説の精度が高まっていき、意思決定の必然性が高まる。
② 継続学習の風土が培われ、人材育成の場となる。
③ 「仮説~実践~検証」という経営サイクルが確立され、未来創造型の経営基盤が確立される。
変化に適応するためにも、"フィードバック"機能が必要とされる時代である。