主体性
2015年05月19日
"主体性"の確立は、IGグループにおける人材ヴィジョンの根幹をなすべき究極の課題である。ゆえに、考える言葉"シリーズの常連テーマでもあり、幹部会など社内研修の折も、つねに気になるのが"主体性"である。
"主体性"について考えるとき、3つのキーワードがある。それは、① 選択、② 責任、③ 信頼 だと考える。その一つひとつについて吟味してみたい。
① 選択
人生は、選択(判断)の連続であるという。つまり、その時々の善し悪しの判断と選択、その結果の積み上げが人生である。その選択が、自らの意思であったかどうかが問われるといえよう。また、その選択の基準となるのが、その人の持っている価値観であり、人生観である。(人間学を学び、磨いているかどうか・・・)
② 責任
選択には、行動が伴う。そして、行動を起こせば、必ず結果が生じ、その責任が問われる。結果に対して、良くも悪くも自己責任で向き合えるかどうかが、"主体性"である。あらゆる結果に対して、自らの責任を問う姿勢は自らの"主体性"にフィードバック機能を働かせるという意味においても重要である。
③ 信頼
自らの選択と責任の取り方が、他者から共感・共鳴されるかどうか・・・。つまり、他者との良好な信頼関係の構築に繋がるかどうかである。仮に、"主体性"を発揮できたとしても、他者からの信頼が得られないとしたら、持続的な成果は期待できないであろう。信頼関係の構築には、"主体性"の質が問われるのである。
"主体性"の本質は、自らの選択と責任である。それらの質が高ければ高いほど、他者との信頼関係の絆が深くなるのだと考える。
思うに、確立された"主体性"には、レベルの高低、つまり、レベル(次元)の違いがあるといって良いだろう。
人間は、上に立てば立つほど、レベルの高い"主体性"を求められる。それは、関わる人たちに対する影響力の大きさからである。万人から共感される、ものの考え方とは何か?その人が持っている哲学(レベルの高い人生観)であろう。
このように考えると、"主体性"の確立とは、自分の磨き方、生き方である。
「出逢った相手は自分である!」という自他を分離しないという統合の価値観は、様々な気づきを与えてくれる。『経営人間学講座』を20年間学びながら、"主体性"の確立こそが、その本質的なテーマだ、と改めて、気づかされる。