決断力
2015年06月01日
あらゆる失敗の最大の原因は何だろうか?それは、"決断力"の欠如、優柔不断さではないだろうか・・・。
職業柄、経営の崖っぷちという状況に居合わせる場面がある。まさに、トップの"決断力"を試される瞬間である。「伸るか反るか」の局面であるから、当然のためらいが生じる。だが、トップとして決断から逃げるわけにはいかない・・・。
経営とは決断の連続である。優柔不断さは、トップにとって致命的欠陥であり、組織の存亡に関わる重大な問題だといえよう。それゆえに、自らの"決断力"を磨き上げる努力を怠ってはならないと考える。
"決断力"とは、考える力とそれを実行に移す勇気である。経営において決断を迫られる状況は、次の二つに大別して考えることができよう。
(1) 戦略的な"決断力"
組織の取るべき進路・方向性を見定めるための大局的な決断力。パラダイムシフトが起きている環境において、未来のあるべき姿をどう描くか・・・。ドメインの再構築を含め、イノベーション的な決断を迫られる。理念・目的という原点に立ち返り、「何のために存在するのか?」という目的思考が問われる。
(2) 戦術的な"決断力"
眼前の敵(問題)にどう対処すべきか、という局所的な決断力。問題の見極めが重要となる。次の4つの質問が有効だ。
① 問題点は何か?(問題の所在をはっきりさせる)
② 問題の原因は何か?(原因をはっきりさせると解決策が明らかになる)
③ 解決策は幾通り考えられるか?(衆智を出し合う)
④ 最も望ましい解決策はどれか?(実行可能な解決策を絞り込む)
"決断力"の欠如とは、主体性の欠如と置き換えてもいいのではなかろうか。問題への無関心さ、他人への依存、失敗への恐れ、判断力の低下、ストレスによる無気力感、疲れによる集中力の低下等々。
だから、上記の二つの視点からつねに問題と向き合い、自らの主体性を磨き上げることが"決断力"の向上につながるのである。それから、勇気。決断の価値は、それを下すのにどれだけの勇気が必要であったかによって決まるという。勇気とは、自らの信念を貫き通そうとする強い心意気のことである。
経営そのものが難しいのではない。自らの"決断力"の欠如が経営を難しくしているのだと考えてみよう。やることを明確にすれば、物事はシンプルである。