場
2015年06月08日
今回は、"場"の持つエネルギー(力)について考えてみたい。
バーナードは、「組織を協働行為の体系」と定義し、「その成立条件は①目的の共有、②貢献意欲、③コミュニケーションの3つ」であると述べている。これは、まさに"場"という概念を絶妙に表現している。
私たちは、個人の限界を超えようと欲するとき、組織をつくる。その組織に人々が集い、協働の精神を持って働きはじめたとき、生産的な"場"が生まれる。つまり、全体と部分との相互作用から自然発生してくる、"場"のエネルギーである。
"場"とは、良くも悪くも出逢いと関係性を演出するところである。つまり、その人の運を左右するところである。だから、「良い"場"」との出逢いは、その人に良運をもたらせてくれる。
「良い"場"」の条件をもう少し具体的に考えてみよう。
① 独自性の高い目的・理念、方向性や使命観をもって自己組織化された場所
② 参加者の一人ひとりがコミットメントし、積極的に参加している場所
③ 開放的(オープンマインド)な場所
④ ハウツーに走らず、物事の本質に関する対話ができる場所
⑤ 二項共存的で、互いの個性を活かし合える場所
⑥ 実践事例が積み上がっていくような場所
⑦ 闊達な意見交換がなされ、相互作用し合えるような場所
⑧ 高い目標を掲げ、つねにチャレンジし続ける場所
⑨ 真摯さに溢れている場所
⑩ 現状に止まらず、イノベーション思考の場所
良い"場"をつくるためには、「"場"が何をしてくれるかを期待するのではなく、一人ひとりが主体性を持って参加すべき」である。
エイブラハム・リンカーン(第16代アメリカ合衆国大統領)が、次のような言葉を残してくれているという。「誰かが大いなる成功を収めたということは、他の誰もが成功できる、という証明である」
ほんとうに、共感できる言葉である。パラダイムシフトが起きている今日、そういう先駆的な役割を担いたいと切に想う。
そんな"場"をつくり、協働の精神を培っていけば、より速く、より大きく革新の輪を広げていけると確信している。