生産性
2017年02月13日
最近、"生産性"という言葉をよく耳にする。
昨年9月にスタートした『働き方改革実現会議』(第3次安倍内閣で設置)でも、テーマとして「賃金引上げと労働"生産性"の向上」が取り上げられており、「日本の低い労働"生産性"」が話題となっている。
また、先月に帝国ホテルで開催された『全国経営者大会』でも、多くの有識者が日本の"生産性"の問題を取り上げていたが、概して論調はやはり労働"生産性"の低さを指摘する内容であった。書店でも、売れ筋コーナーに"生産性"に関する書籍が並べてあり、目につく・・・。
言うまでもなく、話題の背景にあるのは、日本において急速に進んでいる構造的な社会問題である少子高齢化である。恐らく、未来に行けば行くほど、地方や中小企業において人手不足がより深刻化するのは想像に難くない。
少子化を解消するためには、育児中の女性が働きやすい環境を整える必要があるし、働き盛りの社員が介護離職を余儀なくされるという事態もよく耳にする身近な問題である。
さて、"生産性"とは「アウトプット(得られた成果)」÷「インプット(投入した資源)」の比率として計算される。「働き方」という視点からいうと、「インプット」を「時間」と考えてもよいだろう。"生産性"の向上とは、短い時間でより大きな成果をあげるための創意工夫だと考えていいだろう。
企業における"生産性"向上の重要性をいち早く唱えたのは、P・F・ドラッカーであろう。氏は、環境の変化に伴い、生産性の課題が機械や道具といった手法の問題(=効率化)だけでなく、働く人間の姿勢の問題(=効果性)へと発展していることを指摘し、生産性向上の視点として、次のような考え方を示唆している。
① 成果の定義(仕事の目的を問う)
② 分析(必要な作業、資源、ツールの洗い出し)
③ 体系化(相互関係性や段取りの構築)
この考え方をベースにして「仮説~実践~検証」の経営サイクルを廻し、目標管理を徹底することによって、継続学習の場をつくり"生産性"向上の勝ちパターンをつくり上げていけば、"生産性"を意識した職場環境が生まれるであろう。
生産的な職場環境が生まれると、人間関係が良好となり、様々なライフスタイルにあった仕事のスタイルが受け入れ易くなり、当然ながら多様な人材が集う場が構築されるのでないかと考える。