スモールサン
2017年02月20日
IG会計グループ主催の『IG新春セミナー』が、開催された(2月15日、ニュー長崎ホテルにて)。おかげさまで200名を超える参加者があり、セミナー会場は勿論、懇親会も大盛況であった。
第一部は、小生が昨年出版した書籍の内容をベースに『"未来からの逆算"が会社を変える!~勝敗の行方は戦う前に決している』というテーマで、「目標を定め、行動することの重要性」について、話をさせて頂いた。
第二部は、みなさんご存知の山口義行氏(立教大経済学部教授、スモールサン主宰)をゲストとしてお招きし、『中小企業における知的戦略経営』というテーマで、素晴らしい講演を頂いた。
同教授は、時代環境の激変の中でいろいろな経営課題を抱えている中小企業を支援する目的で、"スモールサン"という「知的サポートネットワーク」主宰されておられ、知行合一を実践されている。"スモールサン"とは、中小企業(small business)のSmallとサポートネットワーク(support network)のSUNをとっての略称。中小企業一つひとつが「小さな太陽」になってほしいという意味をこめての命名だという。
山口先生の講演内容で、印象に残った点を少し紹介したい。
日本における人口減少の問題は社会システム上も大きな課題となっているが、中小企業経営者にとっても、それが要因で3つの大きな壁(①市場の壁、②地域の壁、③人手の壁)となって立ちはだかっているという。
そして、これらの壁(課題)と向き合い、乗り越えるためには何が必要とされるのか?そのために今、次の3つの力が経営者に求められているだという。
① 読む力(時代の潮流を見極める)
② 問う力(自らの存在の意義と価値を常に問う)
③ つなぐ力(連携、衆知を集めることによって、個の限界を全体の限界にしない)
この3つの力に関しては、自己革新にとって必要不可欠な力であり、全く同感である。つねに心がけて磨きをかけ、高めていきたいと思う。
また、スマホやコンビニを例にとり、「発展とは、一部にすることである」(ヘーゲルの弁証法)という言葉を紹介して頂いたが、これも得心!低次元においては対立あるいは別物であるものが、次元を高める(発展)ことによって統合されるという・・・。さらに、隣接異業種への挑戦も、イノベーション思考として面白いと感じた。
新しい成長戦略が描けず、赤字に苦しんでいる多くの中小企業経営者にとって、たいへん示唆に富んだ講演だったと思う。