統合
2017年06月19日
先週末(6月16~17日)、『NBM16期⑤~組織体制モデル』(「NN構想の会」主催)の研修が無事に終了した。
全国の有望な若手会計人が集う研究会であり、毎回、積極的な意見交換が飛び交う、素晴らしい出逢いの場である。2003年からスタートし、これまでに1000名近くの卒業生を輩出しており、いつも楽しみにしている勉強会の一つである。
今回のテーマは、組織論。NBMが提唱する『循環モデル』(=経営者の意思決定をサポートするための会計の体系)を事業として展開していくために必要な組織体制をどう構築するか・・・。
Chandlerの「組織は戦略に従う」("Strategy and Structure"1962)という著名な言葉があるが、戦略のパラダイムシフトが起きている21世紀の経営環境において、
新たな戦略の決定と同時に、組織体制をどのように再構築していくのかは、重要な経営課題の一つとなる
時代のパラダイムが激変する21世紀の社会・経済環境において、業界再編は重要な経営課題となっている。今まで多くの中小企業は、「一国一城の主」として自社の利益と成長を考えて、経営すれば良かった。再編で統廃合が進むと、そういう訳には行かなくなるだろう。
M&Aなどで、風土や文化の違う組織が一つになる。どのように"統合"し、組織体制を整えていくのか。それだけではない、再編が進む業界全体をどのようにリードし、業界全体の輝く未来を形成していくのか・・・。
多様化した時代環境の中、上に立つ人ほどまたは業界をリードする企業ほど、多様化した価値を"統合"できるようなモノの考え方、すなわち価値観(=思考の物差し)が非常に重要となるであろう。
人間の思考には、分離的思考と"統合"的思考があるという。分離とは、他人と自分を分ける考え方で、「相手と自分とは違う」という二項対立的な考えに陥り、良好な関係性をつくれなくなる。
一方、"統合"とは、自他非分離の考え方で、「相手と自分は一つである」という二項共存的な考えができるので、共感・共鳴的に相手を受入れ、良好な関係性を構築することができて、生産的な場が生まれる。
組織とは、元来、協働行為の体系である。業界再編が進む中、M&Aなどで組織の統廃合が生じる。
そんな状況下、組織の盛衰を決めるキーワードは、"統合"という概念であろう!