自己革新
2018年08月27日
"考える言葉"シリーズで、過去において何度となく取り上げたテーマの一つに"自己革新"がある。今回は、トップの"自己革新"について考えてみたい。
ある企業コンサルタントの一言、「会社は良くも悪くもトップ次第です・・・」。どんな赤字の会社でも、トップが変われば一年もしないうちに黒字転換できるし、見違えるほどの成長軌道に乗せることができるのだという。
小生も仕事を通して、多くの中小企業経営者とお付き合いさせて頂いているが、確かに「良くも悪くも、トップ次第だな・・・」と思うことが多い。経営革新を断行するとき、先ずは、トップの"自己革新"からスタートしなければ、何ら効果が生じないことが多いのである。
だが、これはなかなか難しい課題である。なぜならば、人材や資金不足等を嘆くが、多くの経営者は、自分自身の経営手腕そのものに業績不振の原因があると思っていないからである。「やるべきことは沢山あるのに、人材不足だ」と嘆く。
そこで、いくつかの質問を投げかけてみる。
① 経営理念や人材ヴィジョンは明確になっていますか?
② 5年後、10年後の会社のヴィジョンは明確になっていますか?
③ 社長自身がやるべきこと、やるべきでないことは明確に区分できていますか?
④ すべての責任を取る覚悟はできていますか?
⑤ 後継者の育成は万全ですか?
⑥ 自らの引き際は明確にしていますか?
⑦ 現場を掌握する仕組みはできていますか?
トップの姿勢として、外にも問うべきことはあると思うが、以上のことについても具体的な答えを頂けることは意外と少ないのである。
昔から、「他人と過去は変えられない」という言葉があるように、トップ自らが率先して"自己革新"をしなければ、組織も社員も変えることは難しいのである。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」(山本五十六)という有名な言葉があるように、トップの姿勢や考え方そして行動にすべてが委ねられていると思って"自己革新"をするしかない。
"自己革新"とは、あるべき姿(新し自分)と現状(古い自分)との差を認識し、その差を埋める戦い、すなわち自分との戦いである。
自らの価値観(思考の枠組み)を変え、行動を変える戦いなのである。それゆえに、先ずは、トップの"自己革新"、覚悟が求められるのである。
(H30.8.27)