ゲゼルシャフト
2020年01月20日
先週末(17~18日)福岡で、IG後継者育成塾(第6期⑨)を終えたところである。
今回のテーマは「企業としての組織論」だった。社会における組織について、「ゲマインシャフト(共同体組織)」と「ゲゼルシャフト(機能体組織)」という二つの概念で語られることがある。
その点、企業の本質はまさに"ゲゼルシャフト"である。つまり、組織自体の目的があり、その構成メンバーはその目的のために働くことになる。言葉を変えていうと、「協働行為の体系」である。
そこで、組織の成立条件として次の3つが挙げられる。
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全員で目的の共有ができているか
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メンバーの貢献意欲は旺盛か
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良好なコミュニケーションはあるか
そして、それらの条件を成立させるために誰にも負けない熱意と信念を持って、リーダーシップを発揮している存在をリーダーという。
ピーター・F・ドラッカーは、リーダーシップについて「仕事・責任・信頼」という言葉を使って、次のように定義づけしている。
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生まれ持った資質ではなく「仕事」である
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地位や特権ではなく「責任」である
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他人から「信頼」されているかどうかである
以上、"ゲゼルシャフト"としての企業組織としての特性、リーダーの役割とリーダーシップなどについて一通り学習したうえで、それらを培う組織風土のベース(思想・価値観)に何が大切か、を考える。一言でいうと、「真摯さ(=integrity)」である。
ドラッカーは「"真摯さ"を絶対視して、初めてまともな組織といえる。・・・(マネジャーが)いかに知識があり、聡明であって上手にこなしても"真摯さ"に欠けていては、組織は崩壊する」と明言している。
ジャック・ウェルチ(元GEのCEOで、「伝説の経営者」)と、最近何かと話題となっているカルロス・ゴーンさんの違いは、まさに「真摯さ」ではないだろうか・・・。
企業は、"ゲゼルシャフト"である。目的集団である企業を率いるリーダーは、その組織の目的を熱く語り、未来を指し示すための言葉が必要となる。と同時に、その社会的存在性をつねに意識しておくことも大切である。そのとき、大切な価値観として問われるのが、ドラッカーのいう「真摯さ」であろう。
「組織論」を通して、様々なことを学んだ二日間であったと思う。
(R2.1.20)