must
2020年05月25日
"must"という英語は、中学の時に習った単語(助動詞)である。
「・・・しなければならない」とか「・・・してはならない」といった義務・否定などの命令的な言葉として、その当時のインパクトの強さが、今なお、記憶に残っている。
なぜ、その記憶を思い出したかというと、『実践するドラッカー(全5編)』の一節の次のような文章が紹介されていたからだ。
『第一に身につけるべき習慣は、"なされるべきこと"を考えることである。何をしたいかではないことに留意してほしい』(『経営者の条件』p3)
ドラッカーは、成果を上げる経営者の特徴として、次の8つのことを習慣化していると述べている。
① なされるべきことを考える、② 組織のことを考える、③ アクションプランをつく
る、④ 意思決定を行う、⑤ コミュニケーションを行う、⑥ 機会に焦点を合わせる、⑦ 会議の生産性をあげる、⑧ 「私は」ではなく「われわれは」を考える。
これらは、いずれも成果を上げるための大切な要件だと思うが、その第一の習慣化として、「なされるべきこと」を掲げている。
『実践するドラッカー』の中では、第一の習慣化である「なされるべきこと」について、次のような解説を施している。
「組織に属する知的労働者は、組織への貢献を通して社会的役割を果たすことが期待されている」として、成果をあげるための優先順位を「"must"~can~will」で考えるとしている。
先ず「"must"=なされるべきこと」、次に「can=できること」、最後に「will=やりたいこと」を問うのだと・・・。
どうだろう?この優先順位に関しては、いろいろな意見がありそうな気がする・・・。
ドラッカーの考え方を紹介した著者の立場は、明確である。「組織人である以上は、組織の使命を無視して、自分のしたいことを優先させるのは本末転倒である」ということだ。
それから、「must」を意識することで、自分に「できないこと」がはっきりしてきて成長の機会を得ることができる。そして、その繰り返しが自分自身と組織の成長につながるのだと・・・。
さらに、自分と組織の「will=やりたいこと」が一致していけば、最高の成果を期待できるとしている。
成果をあげる優先順位「"must"~can~will」について、考えてみたい。
(R2.5.25)