ビジネスパーソン
2021年02月02日
『武器になる哲学』(山口周 著)という本を手に取って、パラっとめくった瞬間に次のような文章に出くわし、印象に残ったので紹介し、考えてみたい。
『無教養な"ビジネスパーソン"は「危険な存在」である』
「なぜそうなのか・・・?」 著者は、その理由を次のように述べている。
「世界の建設に携わっている"ビジネスパーソン"こそ、哲学・思想のエッセンスを知っておいて欲しいから」だという。
余談だが、最近よくサラリーマンとかビジネスマンではなく、"ビジネスパーソン"という言葉が使われるが、それは「性差を取り払う」ために、男女平等性に習った観点からだそうだ・・・。 さて、本題に戻そう。
著者は、"ビジネスパーソン"が「なぜ哲学を学ぶ必要があるのか?」 その理由について次の4つを挙げている。
① 状況を正確に洞察する
② 批判的思考のツボを学ぶ
③ アジェンダ(課題)を定める
④ 二度と悲劇を起こさないために
以上、掲げてある4つの理由を見たとき、得心した。なぜならば、経営計画を策定するときの思考のプロセスそのものであるからだ。
① まず、「いま、何が起きているのか」を問う。(現状分析と把握)
② 次に、「What(目的)とHow(手段)」を問い直し、新しい自己に出逢うためには、古い自己を否定する。(経営環境の変化へ適応)
③ 解決すべき課題を明確にする。(普遍性の追求とイノベーション)
④ 結果に対する真摯な検証を怠らない。(フィードバック機能)
それから、この著者には『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』という著書もあるが、あらゆる物事を「世界」という視点から捉えようとするスケールの大きいパラダイム(思考の枠組み、価値観)が魅力的だと思う。
いま、「仮説~実践~検証」という経営サイクルをベースにした『IG式目標管理システム』の見直し、検討をしているところであるが、そのベースとなる「経営計画の策定とは、自らの人生や仕事について哲学する機会である」という視点から考えてみると面白いような気がしてきた。
そして、その計画の策定に関わる者はすべて、「世界の建設を携わっている"ビジネスパーソン"」であるという大局観をベースにして再考してみたいと思う。