このページの先頭

トップページ > 考える言葉 > バックナンバー > シェア

考える言葉

シェア

2021年07月05日

 "シェア"という言葉をよく見聞きする。良好な人間関係を維持するための基本となる概念の一つであろう。
 以前にも紹介したが、『未来を共創する経営チームをつくる』(鈴木義幸 著)の中に次のような一節がある。
 "時価総額の高い会社"を牽引しているトップのイメージとして、
「私の頭の中では、カリスマ的な牽引力のある力強いリーダーを想像しています。ですが、最近とみに、その想像が外れます。時価総額の高い会社のトップは、あまりぎらぎらした雰囲気を持っておらず、どちらかというと、穏やかな空気を身にまとった方が多いと感じます」と・・・。全く、同感だ。
ある書物によると、「人との関わり方」ついては、大きく次の3つのタイプに分類できるのだという。
 ①ギバー(与える人)・・・自己犠牲を払っても他人に対し惜しみなく与える人(見返りを求めない)
 ②テイカー(受け取る人)・・・自分が与えるのではなく、まずは自分が受け取ることを優先する人(受け取る目的を達成するために与える)
 ③マッチャー・・・与えることと受け取ることのどちらを優先するのではなく、損得のバランスを取ろうとする人。(人間関係の損得は五分五分であるべきと考えバランスを取る)
 そして、以上3つのタイプの中で最も成功する確率が高いタイプは①のギバー(与える人)であるという。その理由は、ギバーが蓄積する"感謝貯金"にあるという。
 そこで、組織における"シェア"の精神について考えてみたい。
 ここでいう"シェア"とは、「自分が持っているものを分け与えること」をいう。
 自分が持っている情報、ノウハウ、経験・・・。これらを、いかに惜しみなく与え、"シェア"できるか。
 イメージしてみよう。強烈な"シェア"の精神を持ったギバーが集う組織とはどんな組織であろうか?
 組織を構成するメンバー一人ひとりが、「自分が取る」ではなく、「他の人や組織に与える」という精神が組織の共通の価値観となるであろう。
 何か刺激的な、良い体験をしたときには、それらを「"シェア"したい」「組織のメンバーと共有したい」と、メンバーの顔を思い浮かべる日々が多いことであろう。
 コロナ禍という環境のときこそ、"シェア"の精神を培うチャンスではないだろうか・・・。

このページの先頭へ戻る