コンセンサス(or文化)
2021年08月24日
"コンセンサス"は元々、英語の「consensus」からきており、「複数人での意見の一致。同意。合意」をいう。私たちビジネスの場でも、幅広い状況においてよく使われている言葉でもある。
「前もって、"コンセンサス"をとっておくように」と指示されることがあると思うが、この場合は「根回し」という意味で使われている。
「個」が尊重される時代に移り変わっている今、会社への帰属意識が薄れていると言われている。そんな中で、"コンセンサス"経営の重要性を説くコンサルタントも増えているようだ。
かつて、経済成長が著しく、イケイケドンドンの時代環境であったとき、良くも悪くもワンマン経営がもてはやされ、独断専行型の経営者のスピード感が話題になったときがあったが、その反動もあるのだろうか・・・。
今や、多様化の時代である。ワンマン社長が何でも一人で決めてやれるような環境ではない。やはり、衆知を集めて、舵取りをしていく必要がある。それゆえに、"コンセンサス"を得られる組織をつくる必要があると考える。
では、"コンセンサス"が形成されやすい組織とは、どんな組織をいうのだろうか。
小生が知る限りにおいて、はっきりしているのは組織への帰属意識が高い人々の集団であると言えよう。
社員の帰属意識が低い会社では、次のようなことが常態化している。
①社員の定着率が悪化する
②モチベーションが低下する
③コミュニケーションが減少する。
逆に、社員の帰属意識の高い会社の特徴は、次の通りである。
①生産性と協調性が向上する
②従業員のエンゲージメント(愛社精神)が向上する
③心理的安全性と組織力がアップする
社員たちが力を合わせ、それぞれの役割に取り組み、何度も成功を重ねるうちに、"コンセンサス"は形作られる。
このプロセスを「一つの文化(カルチャー)が形成される仕組みである」と、米国の心理学者であるエドガー・シャインは説明している。
"コンセンサス"を企業文化にまで醸成するまでには、トップ経営者の大局観に立ったリーダーシップが求められると考える。