チャンスと脅威
2021年12月23日
表裏一体という言葉がある。「相反するものが大もとでは一つであること」を意味するのであるが、今回のテーマである"チャンス(機会)と脅威"はまさに表裏一体の関係にあるものだと考える。
その大もとは、環境の変化である。そして、その変化を「チャンスだ!」と受け止めることができる経営者とそうでない人、すなわち「脅威だ!」と受け止める経営者とに分かれる・・・。もちろん、前者が勝ち組となり、後者が負け組となってしまうのが世の常である。
そこで今回は、"脅威"と感じたとき、それを"チャンス"に変えるにはどうしたらよいのかを考えてみたいと思う。
まずは、表裏一体であるという自覚。つまり、「"脅威"を感じたら、そこに"チャンス"もある」と思うことである。
そして、その現実を受け入れること。「こんなはずはない」という思いを捨て、「ならばどうあるべきか」を徹底的に考え抜くことである。次のことを自問自答してみよう。
①その"脅威"は本当に"脅威"なのか?
②その変化は本当に事業にとってマイナス要因なのか?
③その変化を逆にプラス要因にできないか?
④強みは生かされているのだろうか?
⑤強みをさらに発揮すると、状況は変わるか?
⑥変化にあった新たな強みを見出せないか?
「ビジネスチャンスは、"脅威"のすぐそばにある」という。
それは、私たちの慣習や思い込みが変化に適応できなくなったことを気づかせてくれるチャンスだといえよう。
そのためには、「あり得ない」「起こり得ない」と思うことを徹底的に検討してみる必要があるだろう。
①「あり得ない」などといって、脅威から目を背けていないか?
②なぜ、「あり得ない」などと考えたのか?楽観的な願望ではないか?
③慣れ親しんだ慣習や常識に固執していないか?
ドラッカー曰く、「"脅威"は市場や顧客、知識など環境の変化を予告するもの。この変化をチャンスに変えていかなくてはならない」と。
今や激変の時代の最中である。この変化への"脅威"は、ある意味、変革への心理的な抵抗を克服するチャンスだと考える。
"考える言葉"シリーズ(21‐48)