マネジャー
2021年12月23日
"マネジャー"とは、マネジメントを遂行する人のことをいう。
小生は、組織の一員として働く人間はすべて、セルフマネジメントという言葉があるように、"マネジャー"的存在しての自覚を持つべきではないかと思う。そこで、"マネジャー"の役割とは何かについて考えてみたい。
ドラッカーは、"マネジャー"には次の2つの役割があるという。
①「第一の役割は、部分の和よりも大きな全体、すなわち投入した資源の総和より
も大きなものを生み出す生産体を創造することである」
つまり、「1+1=2ではなく、3や4にしていく」ような、シナジー効果(=相乗効果)を生み出せるような協働体制を創る役割である。
②「第二の役割は、そのあらゆる決定と行動において、直ちに必要とされるものと遠い将来に必要とされるものを調和させていくことである」
つまり、組織をより生産的にするために現在と未来のバランスを考えつつ、常にイノベーション機会を考える役割であるといえよう。
具体的には、次の5つの仕事が考えられる。
①目標を設定する
②組織をつくる
③動機づけをし、コミュニケーションを行う
④評価尺度を設ける
⑤人材を育成する
では、上記のような役割と仕事を担う"マネジャー"として必要とされる資質について考えてみたい。
ドラッカー曰く、「一番大切なのは、真摯さ(integrity)である」と。
真摯さとは、まじめで熱心であること。そして、私利私欲を交えず、真心を持って人や物事に対することである。
これは、単に知識を増やし、経験を重ねたからといって身につくものではない。ものの考え方、価値観の学習を心がけるべきであろう。例えば、松下幸之助さんとか稲盛和夫さんのような優れた経営者から、その生きざまを学ばせてもらう。あるいは、論語など長く読み継がれてきた名著を読むことだろう。
「真摯さ」のほかには、「リーダーシップ」や「先見性」なども、マネジャーに必要な資質として挙げられるであろう。そして、マネジャーには一定の「権限」が与えられるが、「権限」と「権力」は違うということも肝に銘じておくべきであろう。
"考える言葉"シリーズ(21‐49)