成果
2022年01月04日
過去にも何度か取り上げたテーマに、"成果"という言葉がある。
経営に携わっていて、痛く反省をせざるを得ないときがある。それは、「"成果"が伴わない努力の空しさ」を感じたときである。
P・F・ドラッカーは、マネジメントという言葉を「"成果"をあげるために行動すること」という意味で使っている。だとすれば、「"成果"が伴わない努力」とは、自らのマネジメントに問題があったということだ。
そこで、「"成果"とは何か?(定義)」、そして成果をあげるために必要な「習慣的な能力」について考えてみたい。
まず、「"成果"とは何か?」であるが、今までと違う変化をもたらすこと。何かをしたことで得られた良い結果のことを指す。さらに、自らの目的を達成するために行動して手に入れた結果のことをいう。
経営でいう"成果"とは、顧客の視点に立って、常にマーケティング&イノベーションを心がけ、顧客の創造ができることであろう。
次に、"成果"をあげるために必要な「習慣的な能力」であるが、P・F・ドラッカーは次の5つの項目を挙げている。
①責任を持つことの習慣化(使命、社会的責任、生産性への貢献など)
②外部の世界を中心に発想する習慣化(顧客のニーズ、期待など)
③自らの強みを基準に発想する習慣化(長所伸張など)
④"成果"があがる分野に全力を集中させることの習慣化(優先順位、戦略性など)
⑤"成果"をあげる手順を検討することの習慣化(検証・発見、イノベーションなど)
以上、ドラッカーは自らのコンサルタントの経験から"成果"をあげる人に共通する「習慣的な能力」だという。
至極、納得できる内容である。とはいえ、「言うは易し、行うは難し」が世の常である。
そこで提案したいのが、組織としての取り組みである。つまり、これら「習慣的な能力」を組織の風土、文化にしてしまうのである。
IGグループでは、ドラッカーが提唱した『目標管理』を『IG式目標管理』としてシステム化し、自己管理ができる人材育成を目指している。自らが掲げた目標の達成に主体的に取り組んでもらう。
そのとき、自らが選び、掲げた目標に組織全体で共通すべき課題があることを認識できたとき、その成果に対して責任の共有を自覚できるようになる。このような成果に対する組織としての習慣化は、良好な人間関係の形成にも寄与することになるだろう。
"考える言葉"シリーズ(21‐50)