意思決定
2022年02月02日
私たちは、様々な状況下で、日常的に"意思決定"を行っている。
"意思決定"とは、やるべきことが複数ある場合、その中から「やるべきこと」と「やらないこと」を決める行為である。また、やるべきことが一つでも、「やるか、やらないか」の選択肢がある。
つまり、行為の選択であると定義することができる。それは、ある特定の状況下の中で、「最善の選択をするプロセス」であるべきだと思う。だとすれば、私たちは「最善の選択とは何か?」について理解しておく必要があるだろう。
ピーター・F・ドラッカーは、「"意思決定"は経験と勘だけでなく、ルールに沿って行うものである」として、次のような手順で行うべきだと述べている。
① 問題の分類(一般的な問題か、例外的な問題か)
② 意思決定の目的を確認(何が問題か)
③ 複数の解決策(解決策の中味は何であるべきか)
④ 実行手段への落とし込み(あるべき解決策は何か)
⑤ 徹底的に実行(実行を確実にするための方策は何か)
⑥ 結果の評価(フィードバック機能は働いているか)
どうだろう?意外と手順を踏まず、不用意な"意思決定"をしているのではないだろうか・・・・・。それから、「仮説~実践~検証」という経営サイクルの視点から"意思決定"考えると、⑤と⑥の重要性が分かってくるであろう。
そして、組織人としての"意思決定"にはいつも人間関係のしがらみが付きまとうのではないだろうか。上司や同僚そして顧客への気遣い・・・。そんな中、妥協に妥協をかさね、本来の目的を見失った"意思決定"をしてしまう可能性が大きくなる。
ドラッカーは、正しい意思決定を行うための留意点として次のように示唆している。
① 誰が正しいかではなく、何が正しいかで判断する
② 「上司に受け入れてもらうこと」ではない。
③ 複数の代替案(違う視点)で検討する。
特に、①の「何が正しいかで判断する」という指摘は、肝に銘じておくべきだと思う。
そのためには、最初にすべきは「何が正しいか」を自らに問うべきである。それから、正しいと思われる結論を出すことだ。
これは、個人の資質の問題としてだけではなく、組織風土・文化という次元で考え、培っていくべき問題だと考える。
そのためにも、「意思決定の手順(①~⑥)」を習い性としたい。
"考える言葉"シリーズ(22‐03)