天与の道
2022年02月26日
「自分には自分に与えられた道がある。"天与の尊い道"がある。どんな道か知らないが、他の人には歩めない。自分だけしか歩めない、二度と歩めぬかけがえのないこの道」(松下幸之助)。
ここで言う"天与の道"とは、使命のことであろう。
「人生100年時代」という言葉をよく耳にするが、織田信長が好んで謳ったという「人間五十年、下天のうちにくらぶれば夢幻のごとくなり」の時代からすると、人間の寿命は驚くほど延びている。
考えてみると、一昔前までは、小生もそうだったが、60歳まで一生懸命働いて、その後の余生(せいぜい10~15年)を、田舎で土に勤しみながらゆったりと自由気ままに自然の中で生きていきたいなどと、考えたりしたものだ。
だが、70代になった今、「人生100年時代」だという。100歳まで30年・・・。余生というには勿体ないほどの時間がある。過去の価値観に縛られて過ごすわけにはいかない。
会社に定年があっても人生には定年などない。その人生をどう生きるか、再考してみる必要がありそうだ。
そのためには、松下幸之助さんがいうところの"天与の尊い道"、自分に与えられた、自分だけしか歩めない道とは何かについて考えることが大事だと思う。
つまり、ピーター・F・ドラッカーがいうところの「自らをマネジメントすること(self‐management)」が必要となる。次の5つの質問に答えてみよう。
① 自分は何者なのか?
② 自分は所を得ているか?
③ 果たすべき貢献とは何か?
④ 他との関係において担うべき責任とは何か?
⑤ 第二の人生とは何か?
"天与の道"とは、使命のことであると述べたが、上記の5つの質問にきちんと解答を出すことによって、自らをマネジメントするための目的・目標が明確になってくるのだと思う。
第二の人生とは、今までの経験とそれによって磨かれた自らの強みをいかに活かして、余生をいかに価値あるものにしていくかということである。
ドラッカーは言う。「自分は何をしたらいいのか」ではなく、「自分を使って何をしたいか」を問うべきだと・・・。
"考える言葉"シリーズ(22‐06)