コミュニケーション
2022年03月02日
「"コミュニケーション"」について、ドラッカーの洞察は独特だという。
禅の公案にある「木が倒れても、それを聞く人がいなければ、音はしていない」という例えをあげて、この音こそが"コミュニケーション"の本質であると述べている。
これはドラッカーの諸説の中でもとても印象深い一節である。つまり、聞く人がいないと"コミュニケーション"は成立しないという。
そして、"コミュニケーション"の主体は情報の発信者だと思われがちだが、実は逆で、優れた"コミュニケーション"とは情報の受信者が主人公なのだと指摘している。
このように捉えてみると、円滑な"コミュニケーション"をするには、受け手の関心がどこにあるのか、知的水準はどのくらいかといった点を十分に考慮しなければならないということになる。
"コミュニケーション"とは、「伝達」のことであるが、私たちは「伝える」ことに熱心であっても、相手に「達する」ことができるのかには関心を払わないということが多分にあるのではないかと考える。
時々、職場で耳にする会話だが、「あれ、どうなった?」「あれって、何ですか?」
「あれは、あれだよ」・・・。そのやり取りをした時点では、お互いに合点したつもりだったと思うのだが、受け手のインパクトは弱かったのだろう。
私たちの社会は"コミュニケーション"をベースに成り立っているといえる。にも関わらず、コミュニケーション能力を高めるための訓練をきちんとしている人は意外と少ないように思える。
コミュニケーション能力は、次の4つの項目から構成されているという。
① 意思伝達力(=自分の考えを相手に伝える力)
② 論理的表現力(=筋道を立てて説明したり文章にできる力)
③ 好感表現力(=感じの良さを意図的に表現できる力)
④ 対人調和力(=相手の意図や感情を理解し、配慮できる力)
これら4つの能力を高める方法としては、次の5つの方法を意識したいと思う。
① 「報連相」を徹底させる
② 「結論~理由~根拠」の順に伝える
③ 常に気持ちよい挨拶をする
④ まずは相手のことを受け止める
⑤ 5W1Hを意識して話す
"コミュニケーション"は大切なので、心して身につけたいと思う。
"考える言葉"シリーズ(22‐087)