人生100年時代
2022年03月18日
"少子高齢化"といえば、日本を含め先進国諸国において、出生率の低下による人口減少に伴う様々な問題が取り沙汰されることが多かったと思う。
例えば、生産労働力の減少に伴う経済成長率の低迷、年金制度の崩壊、医療費の高騰、医療・介護業界の人手不足、そして国力の低下など・・・。
2008年(1億2808万人)をピークに人口減少が始まった日本では、2021年度1億2610万人だった人口が2055年8993万人に減少すると見込まれており、今後の34年間で3600万以上減少することになる。
P・F・ドラッカーは、「未来予測は不確実性が高く、不可能である」と指摘しているが、「すでに起こった未来を探し、本業の外部変化を見よ」と述べている。"少子高齢化"に伴う人口減少は、まさに「すでに起こった未来」だといえよう。
今まで私たち企業人は、人口が増加することを前提にして戦略を立ててきたが、これからは「人口減少の戦略」に切り替える必要があるのだろう。
労働問題を解決する方法として、「大量移民の受け入れ」なども取り沙汰されているが、民族や文化、宗教の違いなどから生じる社会問題などもあり、具体的な対策にまで及んでいないようだ。
そして、最近よく耳にするのが「第二の人生」の問題・・・。"人生100年時代"だといわれているが、定年退職後をいかに過ごすか?が課題になるという。
定年後10~15年だった余生が、"人生100年時代"には20~30年に延びるわけだ。今まで働いてきた以上の自由な時間がある。単に余生と割り切るには勿体ない・・・。
これについて、ドラッカーは「定年になったときに抜け殻にならないために、セカンド・キャリアへの準備を現役の時にしておくように」と、次の3つの方法をあげている。
① キャリアの転換をする
② 「第二の仕事」を持つ
③ 篤志(とくし)家になること
しかし、ドラッカーは「誰でも成功するわけではない」という。第二の人生で全員が成功することはあり得ないのだ。
能力やスキルや資格の取得だけではなく、成功するには人間としての器を磨く、つまりものの考え方、価値観を高める努力も必要だという。
"人生100年時代"、第二の人生を豊かにするには、世のため人のために尽くすという、ボランティア精神(社会貢献など)が問われるのではないだろうか。
"考える言葉"シリーズ(22‐10)