劣後順位
2022年03月25日
IG会計グループでは、「仮説~実践~検証」のサイクルを徹底させるために月末・月初の二日間を「考える一日」と称し、各自の一ヵ月間の仕事ぶりを反省し、今後優先してやるべき仕事の棚卸を行っている。
これは、「IG式目標管理システム」を組織文化として根づかせるために必要な時間の確保でもある。そのため、この二日間には、日常業務を持ち込まないというコンセンサスが重要である。
業務日報において、日々の業務について、「どんな仕事に対して、どれだけの時間を費やしたか」、各自の時間の使い方の記録があるので、自分の仕事ぶりについて徹底分析できるようになっている。
まず、月末に予実の差異分析を行い、次月以降になすべき仕事の棚卸を行い、予定表を作成する。この予定表を作成する際の視点について、P・F・ドラッカーはさすがという指摘をしている。
ドラッカーは、「重要な仕事に集中するためには、まず仕事に"劣後順位"をつける必要がある」と説いている。"劣後順位"とは、成果がそれほど上がらない仕事、つまり「退けるべき仕事」の順位をつけることである。
われわれは、よく「効率的に仕事をするためには、優先順位をつけなさい」と指導をしたり、受けたりする。
ドラッカーは、手順が違うという。次の手順で行うべきだという。
① 優先順位をつける前に、まずは"劣後順位"をつける
② 仕事をふるいにかけて重要な物を残す
③ 残った仕事の中で優先順位をつける
ハッとさせられる指摘である。確かにその通りだと考える。
"劣後順位"をつけないまま、優先順位をつけても、根本的な時間の浪費は解決できないと思う。
"劣後順位"とは、「廃棄すべき勇気を持て!」というドラッカーの助言である。
われわれは、経験を積めば積むほど、仕事が増えて、それを抱え込んでしまう傾向にある。そして、時間がないと嘆く・・・。
"劣後順位"をつける知恵と勇気を持つと、時間という大切な経営資源を持てるようになる。そして、有意義な時間の使い方を学ぶようになる。
① 過去より未来を選ぶ。② 課題ではなく機会に着目する。そして③ 無難より変革を重視する。そんな時間の使い方をしたいと思う。