位置と役割
2022年06月13日
先週末(6月9~10日)、IG会計グループの『事務所見学会』が開催された。コロナで2年間ほど中断されていたので、久しぶりの開催である。コロナの影響を懸念していたが、全国から多くの会計人の参加があり、盛況であった。
『見学会』の目的は、弊社で展開している『未来会計(MAS監査)サービス』について学び、各事務所においても事業化したいということであろう。
『未来会計(MAS監査)サービス』に関していうと、すでに体系化され、モノの考え方や手法も確立しているので、誰もが学ぶことによってすぐに習得できるのではないかと思う。
となると、成功するか否かの鍵を握るのは、「何のために」という目的意識とそれに伴う"位置と役割"であろう。
ほとんど多くの会計事務所は、税務会計(過去会計)という本業があり、社会的な"位置と役割"を担ってきたという長い歴史がある。過去の取引を記録、整理し、税務申告をサポートするという仕事である。
しかし今、多くの中小企業が求めているのは過去ではなく、不透明な未来にどう備えたらいいのかという助言である。
小生は、「会計人は社会的インフラである」という使命のもと、社会のインフラとして中小企業の存続・発展を下支えしていくならば、中小企業の経営者の困りごとが変化した以上は、自らの"位置と役割"を変えていって然るべきである。だが、それができず、顧客のニーズの変化に応えきれない組織が多いような気がする。
また、組織を構成するメンバー一人ひとりの"位置と役割"を明確にしておかなければならないと思う。
会計事務所でいうと、従来の税務会計業務を担う部署・個人と未来会計業務を担う部署・個人は、業務内容に違いがあるようならば、"位置と役割"を明確にしておいた方が相互の貢献と責任が明確になり、コラボレーションしやすくなる。
「組織とは協働行為の体系である」と定義づけるならば、その成立条件は次の3つである
① 目的の共有
② 貢献意欲
③ コミュニケーション
これらの成立条件を明確に認識した上で、構成メンバーの一人ひとりが自らの"位置と役割"を自覚し、協力し合う組織は必ずや成功するであろう。