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2022年06月27日
正しい経営をしているのかどうか、自己判断することは難しいものだ。なぜなら、人はそれぞれ、自らの価値観(思考の枠組)に知らず知らずにうちに支配されている生き物であるからだ。
特に、上に立つ人ほど、確固たる信念というか、独自の価値観を培っている人が多いような気がする。それは決して悪いことではないが、一つ間違えると独善に陥りやすいこともある。
そこで、自己チェックを行うための5つのキーワードを紹介したい。(『経営を見る眼』伊丹敬之著を参照)
① 当たり前スタンダード
誰が見ても当たり前の標準という意味である。その当たり前のことがきちんと実行できているだろうか。
② 神は細部に宿る
「経営者の仕事は大きな事を考えることと、小さな事に目を配ることだ」(松下幸之助)
「現場こそすべて」「一事が万事」「蟻の一穴」等々。
③ 人は性善なれども弱し
多くの低迷組織には、「ついついの甘えと錯覚と思い込み」が充満している。それを正すのは、容易ではない。
④ 六割で優良企業
「その企業に働く人の六割が、当たり前のことをきちんとやっていれば優良企業だ」と言えよう。この比率が七割にもなれば、超優良企業。普通の企業は五割以下だという。組織として狙うべきは、少し良いことを長期的に持続することが大切だ。
⑤ 目に見えないことこそ重要
経営はうわべではない。「目に見えないことこそ重要」、である。
戦略で言えば、表面の行動ではなく、具体的な行動とその実行を支える資源が大切である。(技術やノウハウ、顧客の信頼、組織風土など見えざる資産)
組織でいえば、経営システムではなく、その中で実行されるプロセスが大事である。
人間でいえば、能力ではなく、価値観(考え方)が大切である。そして、経営者でいえば、口から出る言葉ではなく、背中が大切である。
以上、自己チェックのための5つのキーワードを書き並べてみたが、当たり前と言えば、その通りである。しかし、経営に限らず、世の中は当たり前のことを置き去りにしていることが、実に多いような気がする・・・。