起業家精神
2024年09月09日
バブル崩壊後(1990年代初頭)日本経済は「失われた10年~30年」と言われ、そしてアフターコロナ後の今がある。
その間、よく耳にするようになった言葉に一つに、"起業家精神(アントプレナー・シップ)"という言葉がある。また同時に、"起業家精神"を持った若い経営者に出逢う機会が増えたような気がする。
アントレプレナーシップ(entrepreneurship)、その語源はフランス語の「entrepreneur」から来ており、日本語では「起業家(企業家)精神」と訳されている。
シュンペーター(経済学者)は、"起業家精神"について「新しい事業を創造しリスクに挑戦する姿勢であり、イノベーションを遂行する当事者である」と述べている。
また、ドラッカー(経営・社会学者)は「"起業家精神"を個人の資質だけでなく、組織の文化やリーダーシップの哲学」としても捉えている。
そして、「組織やリーダーが変化に適応し、成長するための貴重な指針となり、変化こそが新たな機会を生み出す土壌である。つまり、変化の時代においてビジネスの成功に不可欠な要素を提供する」としている。
かなり分厚い本だが、『ベンチャー創造の理論と戦略』(ジェフリー・A・ティモンズ著、千本倖生+金井信次訳)という本の中で、「"起業家精神"の6大テーマ・起業家に必要なメンタリティと行動」として、次の6項目が紹介してある。
① 全面的な献身と強固な決意(決してあきらめない)
② リーダーシップ(ビジョンと夢)
③ 起業機会への執念(識別し、没頭する)
④ リスク、曖昧性、不確実性に対する許容度(パラドックスへの対処)
⑤ 創造性、自己依存、適応力(失敗を恐れず、行動主義に徹する)
⑥ 一流足らんとする欲求(チャレンジ目標への意欲)
この6大テーマの関しては、まったくの同感である。小生も、未来会計の事業化について講演したとき、「事業化、成功の秘訣は何ですか?」と問われたとき、次のように応えることが多い。
「一言でいうと、成果が出るまで、決して諦めずにやり続けること」・・・・・。
そのためには、上記の「6大テーマ」は必要不可欠な要件だと、改めて認識した次第である。
今日の成熟化した時代環境、ビジネスのグローバル化、消費者ニーズの多様化など激変する経済環境において、その環境に適応し、さらに存続・発展していくには、"起業家精神"は組織にも個人にも必要不可欠な要件だといえよう。
"考える言葉"シリーズ(24‐32)