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考える言葉

働くこと

2024年09月27日

 先週の「"考える言葉"シリーズ(24‐33)働き」で、「動き」と「働き」の違いについて考えてみた。
今回は、「人はなぜ、働くのだろう?」という観点から、"働くこと"の意義について考えてみたい。
 前回も触れた通り、「働くの語源は、傍(はた)を楽(らく)にすること」であり、他人に貢献することによって、自らの成長機会を得ることになるのだ、と。
 経営学者である伊丹敬之(ひろゆき)教授は、氏の著書『経営を見る眼』の中で、次の二つのために「人は働く」と述べている。
  • 「所得」=「稼ぎ」(経済生活)
  • 「すること」=「勤め」(存在意義)
 そして、なぜ人は「会社」で働くかというと、一つは、人間は一人ではできることには限界があるということ、二つに、集団に加わりたい、つまり人は群れたがる動物だからだという。
 先週(20~21日)は、二日間、福岡で後継者育成塾(第8期⑤)を開催したが、その時のテーマは『仕事の価値化~仕事の報酬は仕事である』。二日間みっちり、「何のために仕事をするのか」、そして個人ではなく組織人として、なぜ"働くこと"をしているのか等々について、皆で討議し、考えてみた。
 普段何気に行っている日常的な業務・・・・・。「なぜ、何のために」と目的を問い直してみると、様々な気づきが出てくるものだ。
 近代組織論の祖の一人であるチェスター・バーナード(1886~1961)は、企業という組織を協働行為の体系と捉え、その組織の成立条件として、次の3要素を示している。存続の前提としている。
 ① 共通目的(組織目的)
 ② 協働意思(貢献意欲)
 ③ コミュニケーション
 ここで、"働くこと"とは、協働行為の体系の一部分として、全体と部分との関係性を十分に理解した上で、自らの役割を十分に認識し、求められる成果につながるような動き、働きをすることが重要である。
 「仕事の本質は、社会貢献である」とするならば、「自らの働きが世のため人のためになっているのか」という問いを自問自答し、日々反省の時間を持つことが大切だと考える。
 「人はパンのみにて生くるにあらず」 "働くこと"の意義を改めて熟慮したい。
                   "考える言葉"シリーズ(24‐34)

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